4月1日、理化学研究所の調査委員会はSTAP細胞の論文不正問題について、小保方晴子研究ユニットリーダーが捏造などしたとして調査結果をまとめた。
しかし小保方晴子氏は、4月8日に不服申し立てすることを弁護士を通じて7日に表明した。
さらに9日には午後1時より、小保方晴子氏自身が大阪市内で記者会見するという。
小保方晴子氏の主張は、理化学研究所が捏造と決めつけた事に対して、「悪意のない間違いで不正に当たらない」としていることだ。
理化学研究所側は、調査対象6項目のうち、2項目が小保方晴子氏の不正行為があったことをを示したという。
しかし理化学研究所の規定では、悪意の無い間違いは不正ではないとしているのだ。小保方晴子氏側弁護団は、ここを突いた。小保方晴子氏の代理人である三木秀夫弁護士は言う。
「悪意がないので捏造や改竄の定義に当てはまらない。動機も存在し得ない」(msn 産経ニュース:2014/4/7)
理化学研究所側が捏造と断定したのは、STAP細胞の万能性を示す画像が、小保方晴子氏の博士論文に関する別の論文から流用されていたことだった。
「データの信頼性を根本から壊す危険性を認識しながらなされた」(同上)
つまり、悪意が有ったと認定したのだ。たしかにうっかりミスするような可能性は少ないと思われる。
しかし悪意の有無を本人が認めない限り証明することは難しい。
しかも理化学研究所は、この捏造を行ったのが、小保方晴子氏ただ一人だったと決めつけているのだ。これはおそろしく無責任な組織で有ることを吐露していないだろうか。委員長は明言した。
「不正行為は小保方さん一人で行なった」(NEWSポストセブン:2014/4/6)
この理化学研究所の態度には、他の研究者たちからも疑問が出ている。例えば免疫細胞や血液病理学の権威である難波紘二・広島大名誉教授は疑問を表している。
「理研は3月14日の会見では『悪意がなかったからシロ』といい、それが4月1日には『悪意があったからクロ』という。悪意があったかどうかなんて証明できないでしょう。それも欠席裁判で、彼女に弁明の機会も与えないのはおかしい」(NEWSポストセブン:2014/4/7)
しかも弁護士の若狭勝氏は、この点で理化学研究所側が不利になる可能性もあると言う。
「会見では、『悪意は、刑事事件なら故意というところ』とまで言及している。裁判になれば理研側が『悪意』や『捏造』を立証する責任があるが、本人が否認している場合、証明するのは簡単ではない。小保方さんが精神的苦痛を被ったとして名誉毀損を訴えると、逆に理研のほうが苦しい立場に追い込まれる可能性もある」(同上)
実は理化学研究所には、過去にも似たようなことがあったのだ。
それは2004年のことだった。血小板の研究で、このときも画像データが改竄されたことが発覚した問題で、上層部が責任を逃れるために2人の研究員を辞職させてことを済ませた。
ところが辞職させられた研究員から逆に名誉毀損で訴えられたのだ。
「論文不正に積極的に関わったと受け取られかねない表現」
このときは和解に至っている。これが理化学研究所の恥部だ。
そして今回。何故か分からないが、小保方晴子氏が不正を否定するために理化学研究所の調査委員会に提出した4枚の「正しい」画像が、ホームページ上の最終報告書からいつの間にか削除されていたのだ。これは5日に分かった。理由は分からない。
さて、その小保方晴子氏だが、やはり理化学研究所のトカゲのしっぽ切りキャンペーンに唖然としたようだ。その様子を代理人の三木秀夫弁護士が伝えている。
「調査委員会の報告を受けたとき、彼女は呆然としていました。『なんで私がこんなことを言われなければならないの!』といっていた。もともと彼女は論文のコピペ問題を気にしていて、それは謝らなければいけないといっていた。ただ画像については、真正な画像はあり再提出もしているわけで、それを『捏造』などといわれれば、これは研究者としての死刑宣告ですよ!」(NEWSポストセブン:2014/4/6)
そして理化学研究所は懲戒委員会を設置し、来月にも小保方晴子氏の処分を決定するという。
しかも前述の様に、理化学研究所の態度は当初と変わってきている。論文の疑惑が発覚した当初の2月17日には、
「研究成果そのものについては揺るがない」
などと行っておきながら、3月14日には、小保方晴子氏のことを、
「未熟な研究者」
と決めつけ出した。そしてこの度の「捏造」は小保方晴子氏の単独版だと言い出す始末。
そして理化学研究所側は、小保方晴子氏を切ることで捏造事件を終わらせ、研究所やベテラン研究者達の地位を保てると考えたようだ。つまり共著者の山梨大学教授の若山照彦氏47歳やで理研副センター長の笹井芳樹氏52歳は捏造に関与しなかったとして責任回避させようとしている。
しかし彼ら理化学研究所の関係者等は慌てたという。それは小保方晴子氏が、
「不服申し立てをします」
と反撃宣言したからである。しかも既に4人の弁護士を準備していた。そしてさきほどから代理人として登場している三木秀夫弁護士は、大阪弁護士会副会長を努めた関西の大物弁護士である。
また、理系に強い弁護士と人権問題に強い弁護士を揃えている。
そして三木秀夫弁護士は言う。
「刑事事件でも、詐欺は刑罰要件に当てはまらないと刑になりません。その場しのぎの簡単なウソをついただけで有罪になりますか? マスコミも、犯罪者でないのに犯罪報道をしているようなものですよ。不服申し立てが通らなければ、民事訴訟なども状況に応じて考えます。理研とケンカせざるを得なくなりました」(NEWSポストセブン:2014/4/6)
しかも小保方晴子氏は理化学研究所にとっての爆弾を隠し持っているのでは無いかと言われている。これに理化学研究所関係者等はびびっているらしい。
例えば研究ユニットリーダーに支給されている研究費が理化学研究所内部で本当は何に使われていたのかとか、予算獲得のために行われている権力闘争、さらには小保方晴子氏が受けてきたパワハラやセクハラ、そして上層部との秘密の関係などだという。
さあ、小保方晴子氏の研究者声明を賭けた反撃が始まるのか。