忙しくて投稿が疎かになってしまった。とにかく世界はニュースに溢れているので、毎回どれを取り上げるかかなり悩んでしまう。
──で、悩みすぎた結果、珍しく芸能ネタを取り上げてみようと思った。
そこで今回は、恋愛発覚を丸刈りになった動画を公開したことで謝罪したAKB48の峯岸みなみさんネタを投稿したい。
私も彼女の丸刈り頭のYouTubeは見たのだが、削除されたようだ。まぁ、奇妙な映像だった。
先に述べておくと、私はAKB48には全く興味がない。おじさんだから当たり前だが、どうみてもお子様の学芸会に、貴重な時間を割きたくないし、ましてお金など払いたくない、と思ってしまうのだ。おじさんだもの。
しかし、彼女たちを応援している人達を非難はしない。私だって若い頃は、山口百恵やキャンディーズや、その他諸々の芸能人に興味を持ったからだ。はまり具合の激しさの差こそあれ、誰にでも異性の芸能人に強く惹かれる時期があるだろう。ただ、私の場合は芸能人に対して淡泊なのか、入れ込むことは無かった。
さて、事の顛末を軽く復習すると、AKB48の峯岸みなみさん20歳(もう立派な大人ではないか!)が、今年の2月7日号の「週刊文春」に「お泊まり愛」として報じられたことがことの始まりだった。
AKB48は恋愛(当然セックスも)が禁止されており、峯岸みなみさんは2月1日付けで研究生に降格された。面白い制度だ。
「こいつ、セックスしたんだぞ」
と処分したわけだ。大の大人達が。面白い。そして謝罪の意を込めて、自ら(ということになっているが、私は疑念を抱いている)丸刈りにした姿がYouTubeで公開された。
公開された動画の削除もAKBグループ総支配人の戸賀崎智信氏が意のままにに管理しているということは、公開したのも彼らだろう。
ということは、この戦略は見事に当たった。つまり、掟を破ったアイドルに、肉体的な制裁を与えて公開することで、ファンの許し(同情)を得ることに成功した。同時に、AKB48の処女性(現実は別として、想定としてのバージン)をなんとかキープしたわけだ。
なんだかキモイ。
実はメンバーだけでなく、ファンでさえもこの恋愛禁止ルールには、抵抗があるらしいのだが、とにかくAKBの管理側はなんとか処女性を維持した。
恋愛の──いや、管理側の感覚で書けば──セックスの相手はEXILEの弟分グループであるGENERATIONSの白濱亜嵐(しらはまあらん)さん19歳だ。まぁ、ほぼ同い年だ。この二人は2011年9月に「もしもキミが。」という朗読劇で共演したらしいので、その辺りからのおつきあいかな?
芸能記者達の仕事とは言えその執拗さには驚くが、峯岸みなみさんが1月17日の深夜にタクシーで白濱亜嵐さんの部屋を訪れ、翌日の朝に再びタクシーで帰宅したところを捕らえた。まぁ、どうでもよい下りだけど。
そして写真もしっかり撮られてしまったため、本人も観念したのだろう。
いや、それだけでは無かった。峯岸みなみさんというのは、知人等の証言によれば、これがなかなかの「夜の仕切り役」と呼ばれるほどの行動をしていたらしい。
AKB48のプロデューサーである秋元康氏は、雑誌の対談で語っている。
「名前は出せないけれど、何回も目撃されたりしたという情報があるコには、『気を付けなさいよ』とか『どっちかにしなさいよ』って言ってあった。それなのに何かが起これば、イエローカード2枚目ということで解雇にせざるを得ない」
やはり彼が決めた掟なのか?
実際、AKB48の2期生である増田有華さんが、やはり週刊文春でDA PUMPのISSAさんとのお泊まり愛を報じられたときは、その後AKB48を脱退している。
驚くのはこの事に関して秋元康氏はラジオ番組で、
「僕は一度も言ってないんですよ、恋愛禁止条例って」
と発言している。おまえが言わなくて誰が言ったのだ?まさかAKB48のメンバーたちが自主的に掟をつくったとでも言うのか?
ちょっと驚きだ。ただ、秋元康氏が仕組んだのか、言わせているのか良く分からないが、恋愛禁止条例は自主的であるということにもなっているようだ。それを裏付けるかのように、「僕は言っていない」との秋元康氏の発言に対して、AKB48のメンバーであり総監督だという高橋みなみさんは、断固禁止だと主張した。
「普通の生活をしていたら、恋をするなんてのは当たり前で、むしろみんな応援するものじゃないですか。でも我々の恋は、応援されないですよね」
うーむ、そういうものなのかどうかは私には分からない。要するに、AKB48のメンバーは、セックスしていることがばれたら、ファンが離れてしまう、売り上げが下がってしまう、ということらしい。
どうもこの辺りの事情は、かつてモーニング娘が恋愛スキャンダルの連続発覚で没落した、という実績によるものだともいう。やはりそういうものか。
さて、面白いのは英国での報道だ。2日付けの英ガーディアン紙では、峯岸みなみさんの丸刈り写真を掲載して、
「峯岸さんの“犯罪行為”はボーイフレンドを見つけたことだった」
と報じた。そして、
「日本の若いアイドルは完全に品行方正であるとのイメージを求められている」
と分析した。また、英インディペンデント紙の見出しは、
「性行為を見つかって丸刈り」
ともっと分かり易い。そして、BBCも、
「丸刈りは日本の伝統的な謝罪の仕方だ」
と報じた。これで日本人で丸刈りにしている人は、英国人からは「ああ、何か謝罪しているのだな。」と思われるようになったかもしれない。あるいは「丸刈り、腹切り」とセットで覚えられたか。
さて、2日にはこの丸刈りの峯岸みなみさんが幕張メッセ(おっと、近所だ)で行われた握手会に現れてファンに対し謝罪した。
なぜ、ファンに自分の恋愛行為を謝るのか?つまりは、アイドルだからか。自分は不特定多数の男達の空想上の性の対象でなければならなかったのに、特定の男性とやっちゃいました、すみません、ということだろうか。なんだか却って恥ずかしい。
ファンの多くは、「丸刈りはやり過ぎだ」との意見だそうだ。まぁ、やり過ぎもなにも、そもそも必要がないとも思うが。
ここで峯岸みなみさんにステージに上がってファンに謝れ、と促したのが戸賀崎智信支配人であることを記憶しておこうか。私はこの男が怪しいと睨んでいるからだ。
そして戸賀崎智信支配人の思惑通り、ファンからはステージの峯岸みなみさんに声が掛かった。
「みぃちゃん!頑張れ〜」
よしよし、これでいい、と思ったかどうか。峯岸みなみさんは準備していたであろうコメントを語った。
「7年間近くいたAKB48を離れたくないという思いが一番浮かび、坊主頭になることを決断しました。許してもらうためになったわけではありません。」
この辺りの台詞はどうでもいいか。でも次の台詞は少々ひっかかる。
「皆さんの温かさを感じました。そういう人たちに2度と悲しい顔をさせたくない。これからもAKB48の峯岸みなみをよろしくお願いします。」
え?誰か「悲しい顔」したのか?この辺りのアイドル側の勝手な前提設定も気持ち悪い。意訳すると「特定の男性とセックスしてすみませんでした。これからも皆さんのアイドル(偶像)であるためにこれで(丸刈りで)処女だったことにしてください。」と懇願しているみたいだ。
そういえば、キリスト教でも、聖母マリアは処女じゃなければいけなかった。息子を産んだのだから、どう考えても不自然だが、信者たちのアイドルでいるためには、処女でなければならない、ということの大いなる前例だ。一方、イエスの妻であった可能性があるマグダラのマリアは、娼婦として貶められている。
ところで峯岸みなみさんのこの謝罪の内容について、やはり怪しい戸賀崎智信支配人が評価を与えている。
「ファンの皆さまの暖かい拍手に包まれ、峯岸の反省とAKB48への思いは、峯岸自身の言葉できりんとファンの皆さまにお伝えできたのではないか」
ああ、本当に不気味な大人の理論だ。そして、
「今回の件につきましては、改めて猛省を促すと共に、今後、ファンの皆さまからの信頼を回復し得るまで、峯岸自身の謝罪の念が消えることはないと思いますが、ファンの皆さまにおかれましては、今後とも、峯岸みなみ、およびAKB48の応援をよろしくお願い申し上げます」
やはりこいつは気持ち悪い。
一方、YouTubeの動画を見たファン達が、
「みいちゃんの誠意は十分に伝わったから、YouTubeの映像は取り下げてほしい」
と、これまた気持ち悪いことを言っている。「誠意」って何だ?よく分からない。久しぶりに芸能ネタを扱うと、分からない事ばかりだ。
すると、我が意を得たりとほくそ笑んだかどうか分からないが、戸賀崎智信支配人が、ファンの気持ちを考慮したとしてYouTubeの動画削除を決定している。
戸賀崎智信支配人とは一体何者なのか。実はこの度のYouTube動画公開は、彼のマッチポンプではないのか?
いや、もっと簡単に言えば、この度の動画は、戸賀崎智信支配人がひもで吊した「見せしめ烏」だったのだろうか。グループ内部に対する支配力顕示の意味もあったのだと思われるからだ。
ちなみにこの動画は、なんと約760万回再生されたという。実に多くの人が目撃したことになる。
目撃者たちの反応はまちまちだ。
「女の子なのにかわいそう」
「病気で髪が抜けていく人に失礼」
「学校のイジメや体罰を連想する」
ある記者は言う。
「ナチス占領下のフランスで、ドイツ兵と親しくしていたとして市民女性を公衆の面前で丸坊主にする残虐な事件が頻発したことを想起したり、連合赤軍の山岳ベースで遠山美枝子を“総括”して異性関係を吐かせて丸刈りにするなどリンチをくわえて殺害した事件を連想したりという声もある。ヤクザが指を詰めるのと同じだ、とも。峯岸さんの『自らやった』という言い分を信じるとしても、あの動画を公開したのはAKB運営ですから、どうしても暴力的なイメージに直結してしまう」
どうもこの記者は、私と同様、AKBの運営者側を疑っているようにも感じられる。
また、動画を撮影して公開したAKB運営者側に対して、
「何よりも、彼女が「誰にも相談せずにボウズにした」ことを知った時点で、運営側はあんな動画を撮るよりも先に、彼女の精神面のケアをするために病院に連れて行くなど立ち回るべきだったのではないだろうか。」
との意見もある。最も峯岸みなみさんが自ら演じたパフォーマンスだった可能性も否定はできないとしている。
またある記者は、AKB48がカルト的になっていると気味悪がる。
「研究生降格という処分だけでは、辞退した他のメンバーと比べて、ファンは“甘い”と言うかもしれない。でも、研究生になってでもAKBに残りたいかどうかと言われれば、これまで辞めていったメンバーは『別に残りたくない』という判断をしたのでしょう。峯岸は坊主にしても研究生降格でもAKBを離れない、と決断している。でもこれって一種の宗教ですよね。」
実は兼ねてからAKB運営者側は、メンバーのメンタルケア体制は整っており、専門の臨床心理士やスクールカウンセラーを何人も待機させているのだという。
しかし、この度の動画公開を見る限りでは、それらが嘘っぱちにしか思えない。前出の記者は言う。
「規約違反したからといって、自傷行為が正当化されるような団体は異常です」
これが普通の感覚ではないか。
また、AKB48については一家言あるという経済学者の田中秀臣氏は、『AKB48の経済学』なる著書もあるのだが、彼は言う。
「これはなんなのか?魔女狩りなのか?戦略なのか?そうだとしたらこんなカルト的な打算につきあいきれない。僕はアイドルを見たいのであって、“いじめ”を見たいのではない」
さて、今後はプロデューサーの秋元康氏が、何かしらの言動により、決着せねばならないかもしれないし、このまま黙ることを決め込むかもしれない。
そこに、興味がある。